この記事の監修者

監修者

須田 修巳(すだ おさみ)
社会保険労務士 / 社会保険労務士法人sumac 代表社員
社会保険労務士,2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)

【専門分野】
人材開発支援助成金(訓練関連助成金全般)
人事制度等、組織制度コンサルティング
労務トラブル
【主な実績・経験】
・人材開発支援助成金の申請・計画立案を2025年400社以上サポート実績
・特に「事業展開等リスキリング支援コース」を活用したDX・IT人材育成、事業展開等による生産性向上訓練の導入に強み
・内閣官房地域未来戦略本部事務局におけるデジタル田園都市国家構想の実行支援
・製造業、IT・ソフトウェア開発、医療・介護など幅広い業種における企業DX,AI研修プログラムの設計をサポート
・中小企業の専門家として、50社以上の人事制度設計、就業規則の策定を支援
・労働新聞や労務専門誌への寄稿、セミナー登壇実績あり。

はじめに:生成AI導入の壁を乗り越える助成金の力

DXやAI活用が企業競争力を左右する時代において、生成AI人材の育成は避けて通れない経営課題となっています。しかし、多くの企業が直面するのが「研修予算の確保」という現実的な壁です。

実は、この課題を解決する強力な味方が存在します。それが生成AI研修で活用できる助成金制度です。適切に活用すれば、研修費用の75%〜100%を国が負担してくれるケースもあり、実質的な企業負担を大幅に削減できます。

本記事では、B2B企業の人事・研修担当者の皆様に向けて、生成AI研修における助成金の活用法を社労士監修のもと、実践的に解説します。

1. 生成AI研修で使える助成金の全体像

1-1. 助成金と補助金の違いを理解する

生成AI導入支援には「助成金」と「補助金」の2つの制度が存在しますが、その性質は大きく異なります。

項目 助成金 補助金
管轄省庁 厚生労働省 経済産業省
主な目的 雇用安定・人材育成・労働環境改善 新規事業展開・DX推進・イノベーション
支援規模 数十万円〜数百万円 数百万円〜数千万円
受給難易度 要件充足で比較的受給しやすい 審査あり・採択率が低い
募集期間 通年募集が多い 特定期間限定
申請タイミング 研修開始1ヶ月前まで 公募期間内

生成AI研修の場合、「人材育成」が目的となるため、主に厚生労働省管轄の助成金が対象となります。

1-2. 生成AI研修で活用できる主要助成金3選

助成金名 提供元 対象 特徴
人材開発支援助成金 厚生労働省 正規・非正規雇用労働者 複数コースあり・最も活用されている
キャリアアップ助成金 厚生労働省 非正規雇用労働者 正社員転換や賃金改定とセットで活用
地方自治体独自の助成金 各自治体 地域企業 自治体ごとに要件が異なる

本記事では、**最も活用頻度の高い「人材開発支援助成金」**を中心に解説していきます。

2. 人材開発支援助成金の詳細解説

人材開発支援助成金とは

人材開発支援助成金は、企業が従業員に対して専門的な知識・技術習得のための職業訓練を実施した際、その費用の一部を国が補助する制度です。

2025年度現在、以下の6つのコースが設けられています:

  1. 人材育成支援コース
  2. 教育訓練休暇等付与コース
  3. 人への投資促進コース
  4. 事業展開等リスキリング支援コース
  5. 建設労働者認定訓練コース
  6. 建設労働者技能実習コース

このうち、生成AI研修で主に活用されるのは[事業展開等リスキリング支援コース] です。
また、その他企業の研修で主に活用されるもの3コースを以下にハイライトしています。

  • A. 人材育成支援コース
  • C. 人への投資促進コース
  • D. 事業展開等リスキリング支援コース⭐️

 

*参考ページ(厚生労働省 > 人材開発支援助成金)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

3. 人材開発支援助成金における大企業/中小企業の定義

人材開発支援助成金では、資本金または常勤従業員数が下の表の数字となる会社または個人を「中小企業事業主」と定義しています。

中小企業か大企業かで助成率や助成額が異なる場合があるため、ご自身の会社がどの区分にあてはまるか確認しておきましょう。

主たる業種

資本金の額または出資の総額

企業全体で常時雇用する労働者の数

小売業(飲食店を含む)

5,000万円以下

50人以下

サービス業

5,000万円以下

100人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

その他の業種(上記以外)

3億円以下

300人以下

3(D).【最重要】事業展開等リスキリング支援コース

生成AI研修(対面の集合研修 or Zoom等オンライン研修 or オンライン学習)で最も活用されている助成金がこのコースです。

対象となる企業・研修

項目 内容
対象企業 労働保険に加入し、雇用保険適用事業所である事業主
研修内容 事業展開・DX・GX推進に伴い新たに必要となる知識・技能習得のための訓練
助成対象 経費(研修費用)+ 賃金助成(研修に要した時間x時給x人数)
研修形態 OFF-JT(業務と切り離した職場外訓練)
*対面研修、Zoom等Webオンライン研修、eラーニング
*eラーニングの場合、経費のみが助成対象となります
最低研修時間 10時間以上
対象従業員 雇用保険被保険者(正規・非正規問わず)

助成金額の詳細1. 【経費助成】

企業規模 助成率
中小企業 75%
大企業 60%

助成金額の詳細2.【賃金助成(研修時間中の賃金補助 *eラーニングの場合対象外)】

企業規模 1人1時間あたり
中小企業 1000円
大企業 500円

助成金額の詳細3.【経費助成の上限額(1人1訓練あたり)】

研修時間 中小企業 大企業
10時間以上100時間未満 30万円 20万円
100時間以上200時間未満 40万円 25万円
200時間以上 50万円 30万円

なぜ [事業展開等リスキリング支援コース]が生成AI研修に最適なのか

  1. 高い助成率:中小企業で75%、実質的な企業負担は25%のみ
  2. DX推進と完全整合:生成AIはDXの中核技術として位置付けられている
  3. 事業展開との関連性:業務効率化や新サービス開発など、事業展開との関連付けが容易
  4. 賃金助成も対象:研修時間中の人件費も補助されるため、実質コストがさらに削減

4. 試算A「中小企業20名で10時間研修」(95%OFFの実現可能性)

【前提条件】

  • 企業区分:中小企業
  • 受講者:20名
  • 研修時間:10時間
  • 研修費用:100万円
  • 活用助成金:事業展開等リスキリング支援コース

【助成金額の計算】

項目 計算式 金額
①研修費用(総額) ▲1,000,000円
②経費助成(75%) 1,000,000円 × 75% +750,000円
③賃金助成 10時間 × 20人 × 1000円/時 +200,000円
実質負担額 ①+②+③ ▲50,000円

=> 100万円の研修が5万円負担となりました

5. 試算B「中小企業20名で15時間研修」0円研修の可能性

【前提条件】

  • 企業区分:中小企業
  • 受講者:20名
  • 研修時間:15時間
  • 研修費用:100万円
  • 活用助成金:事業展開等リスキリング支援コース

【助成金額の計算】

項目 計算式 金額
①研修費用(総額) ▲1,000,000円
②経費助成(75%) 1,000,000円 × 75% +750,000円
③賃金助成 15時間 × 20人 × 1000円/時 +300,000円
実質負担額 ①+②+③ +5万円

=> 100万円の研修を実施することで、なんと逆に+5万円受給できることとなりました。(削減率:100%以上)
実際に労働局へ問い合わせしてみたところ、こちらでも問題ないことを確認できました。
(なお、企業側にとっては、当該研修期間に給与を支払うことが必要になりますので、実質は支払い金額のほうが多くなります)

 

6. 試算C「中小企業200名で15時間研修」の場合

【前提条件】

  • 企業区分:中小企業
    (資本金によりますが、200名の小売/サービス業,卸売業は大企業区分になるので注意)
  • 受講者:200名
  • 研修時間:15時間x10組=150時間
  • 研修費用:1000万円
  • 活用助成金:事業展開等リスキリング支援コース

【助成金額の計算】

項目 計算式 金額
①研修費用(総額) ▲10,000,000円
②経費助成(75%) 10,000,000円 × 75% +7,500,000円
③賃金助成 150時間 × 20人 × 1000円/時 +3,000,000円
実質負担額 ①+②+③ +50万円

=> 1,000万円の研修を実施することで、なんと逆に+50万円受給できることとなりました。(削減率:100%以上)

(前試算同様に、企業側にとっては、当該研修期間に給与を支払うことが必要になりますので、実質は支払い金額のほうが多くなります)

 

7. 試算D「大企業400名で15時間研修」の場合

【前提条件】

  • 企業区分:大企業
  • 受講者:400名
  • 研修時間:15時間x20組=300時間
  • 研修費用:2000万円
  • 活用助成金:事業展開等リスキリング支援コース

【助成金額の計算】

項目 計算式 金額
①研修費用(総額) ▲20,000,000円
②経費助成(60%) 20,000,000円 × 60% +12,000,000円
③賃金助成 300時間 × 20人 × 500円/時 +3,000,000円
実質負担額 ①+②+③ ▲500万円

=> 2000万円の研修を500万円で実施可能(削減率:75%)

 

【注意】年間の利用上限金額など制約あり

【重要な制限事項】

  • 1事業所あたりの年間上限:1億円
  • 複数のコースを組み合わせての活用が可能
  • 複数回の研修実施も可能(それぞれ事前申請が必要)

つまり、年間を通じて計画的に研修を実施すれば、数百万円規模の助成金を受給できる可能性があります。

以上が「事業展開等リスキリング支援コース」のシュミレーションです。

続いて人材開発支援助成金の他コースについても解説していきます。

6(A). 人材育成支援コース

従業員の職務に関連した一般的なスキルアップ研修に適用できる基本コースです。

対象となる研修

項目 内容
研修内容 職務に関連した知識・技能習得のための訓練
助成対象 経費(研修費用)+ 賃金助成(研修に要した時間x時給x人数)
研修形態 OFF-JT(10時間以上
*対面研修、Zoom等Web研修、オンライン学習可
*eラーニングの場合、経費のみが助成対象となります
対象者 正規雇用・非正規雇用の従業員

助成金額【基本助成率】

企業規模 経費助成率 賃金助成(1人1時間)
中小企業(正社員) 45% 800円
中小企業(非正規) 70% 800円
大企業 30% 400円

【賃金要件達成時の加算】

研修修了後、以下の条件を満たすと助成率がアップします:

  • 賃金を5%以上上昇させた場合
  • または 経費助成率に+15%(大企業も+15%)、賃金助成に+200円の加算(大企業は+100円)

→ 経費助成率に+15%、賃金助成に+200円の加算

経費助成上限額

研修時間 中小企業 大企業
10〜100時間未満 15万円 10万円
100〜200時間未満 30万円 20万円
200時間以上 50万円 30万円

7(C). 人への投資促進コース

高度デジタル人材育成を目的とした期間限定(2026年度まで)の特別コースです。
サブスク等のオンライン学習サービスで活用することができますが、助成率の関係からAIやDXに関してはこちらを用いるよりも事業展開等リスキリング支援コースのほうが一般的です。要件、成長分野等の要件などが複雑なため、本記事で詳細については割愛いたします。

8. 助成金申請の実務手順【5ステップ】と書類のダウンロードURL

以下の各ステップが必要になってきます(詳細レベルにおいては、各コースごとに異なります)

なお、先行して書類のダウンロードURL(令和7年版)を以下に案内いたします。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/38819_00007.html#%E4%BA%BA%E6%9D%90%E8%82%B2%E6%88%90%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9

Step 1:計画策定(研修開始2〜3ヶ月前)

  1. 社内ニーズ調査

    • どの部署・職種に生成AI研修が必要か
    • 現在の業務課題とAI活用の関連性
    • 受講対象者の選定
  2. 研修プログラムの選定

    • 外部研修サービスの比較検討
    • 助成金対象要件を満たす研修内容か確認
    • OFF-JT形式(業務と切り離した研修)であることの確認
  3. 職業訓練実施計画書の作成

    • 研修の目的・内容
    • 実施方法(対面/オンライン)
    • 受講者リスト
    • スケジュール
    • 経費の明細

Step 2:計画届の提出(研修開始1ヶ月前まで)

提出先: 事業所所在地を管轄する労働局(雇用保険適用事業所の都道府県労働局)
必要書類:(要確認)

  • ✅ 職業訓練実施計画届
  • ✅ 訓練カリキュラム
  • ✅ 研修事業者の概要資料
  • 研修の申込書、契約書(受講人数、研修費用が分かるもの)

⚠️重要ポイント:

  • 研修開始日の1ヶ月前が期限(厳守)
  • 期限を過ぎると助成金は受給できない
  • 提出後、労働局から「受理通知」が届く(2〜3週間程度)

Step 3:研修の実施と実施時の注意点)

✅ 勤務時間内に実施する

  • 賃金助成を受けるためには必須
  • 勤務時間外の研修は賃金助成対象外

✅ 出席記録を正確に管理

  • 日時・時間・受講者名を記録
  • 署名または電子記録による証拠保存

✅ 研修資料の保管

  • テキスト、配布資料、課題など
  • 5年間の保存義務

✅ 実施写真・動画の記録 *労働局により不要な場合もございます

  • 研修風景の撮影(プライバシーに配慮)
  • 労働局からの確認に備える

Step 4:支給申請(研修終了後2ヶ月以内)

提出書類:

  • ✅ 支給申請書
  • ✅ 受講者名簿(出席実績付き)
  • ✅ 経費の領収書・請求書
  • ✅ 賃金台帳・出勤簿
  • ✅ 研修修了証明書
  • 受講者の雇用契約書
  • 受講者による訓練実施報告書(内容に関する感想等)
  • 研修修了証明書(eラーニングの場合、受講日時のログ)

⚠️注意点:

  • 研修終了日の翌日から2ヶ月以内に提出
  • 書類不備があると再提出が必要
  • 経費は実際に支払いが完了していること

Step 5:助成金の受給(申請後2〜8ヶ月)

受給までの流れ:

  1. 労働局による審査(1〜6ヶ月)
  2. 支給決定通知の受領
  3. 指定口座への振込(決定後1ヶ月程度)

審査で確認される主なポイント:

  • 研修受講会社の適格性
  • 研修、研修提供会社の適格性
  • 研修が計画通りに実施されたか
  • 勤務時間内の実施か
  • 経費の支払証明は適切か
  • 労働関係法令の遵守状況

9. 助成金活用の7つの重要注意点

⚠️注意点1:事前申請は絶対条件

❌ よくある失敗例: 「良い研修サービスを見つけたので、すぐに契約して実施してしまった」

→ 研修開始後の申請は一切受理されません

⭕ 正しい対応:

  • 研修開始の最低1ヶ月前までに計画届を提出
  • 余裕を持って2〜3ヶ月前から準備開始

⚠️注意点2:助成対象となる研修内容の確認

助成金対象外となる研修例:

❌ 一般的なビジネスマナー研修 ❌ 趣味・教養を目的とした内容 ❌ 業務と直接関係のない研修 ❌ 社内の通常業務の一環とみなされる内容

⭕ 生成AI研修が対象となる理由:

  • ✅ DX推進という明確な事業目的
  • ✅ 専門的な知識・技術の習得
  • ✅ 業務効率化という具体的な成果
  • ✅ 新規事業展開への活用可能性

⚠️注意点3:OFF-JT形式の遵守

OFF-JTの定義: 業務と切り離して行われる、職場外での訓練

✅ 認められる形式:

  • 外部講師による集合研修
  • Zoom等オンライン研修
  • 外部施設での実施
  • 専門機関による eラーニング

❌ 認められない形式:

  • OJT(業務を通じた指導)
  • 通常業務の延長とみなされる内容
  • 映像を見るだけの形式

⚠️注意点4:勤務時間内実施と賃金支払い

賃金助成を受けるための条件:

✅ 研修時間を所定労働時間内に設定 ✅ 研修時間中も通常の賃金を支払う ✅ 出勤扱いとして記録

❌ 賃金助成が受けられないケース:

  • 勤務時間外(就業後や休日)に実施
  • 無給または減額給与での実施
  • 欠勤・休暇扱いでの実施

⚠️注意点5:労働法令の遵守

助成金受給には、企業が適切な労働環境を維持していることが前提です。

不支給となる一般的な違反例(コースよって異なる場合がございます):

❌ 研修期間中の解雇・退職勧奨 ❌ 労働基準法違反(未払残業など) ❌ 雇用保険・社会保険の未加入 ❌ 重大な労働災害の発生 ❌ 事業主都合による解雇の実施

⚠️注意点6:書類の保管義務

保管期間:5年間

保管が必要な書類:

  • 研修関連資料一式
  • 経費の領収書・請求書
  • 賃金台帳・出勤簿
  • 労働局との往復文書

労働局の事後調査で提示を求められることがあります。

⚠️注意点7:複数の助成金・補助金との併用制限

❌ 併用できない一般的なケース(コースよって異なる場合がございます):

  • 同一の研修に対して、他の国や自治体の助成金を受給
  • ものづくり補助金など、別制度との重複申請

⭕ 併用できる一般的なケース(コースよって異なる場合がございます):

  • 異なる時期・異なる内容の研修であれば、複数回の受給可能
  • 地域独自の助成金(各自治体で詳細をご確認ください)

10. キャリアアップ助成金との併用戦略

10-1. キャリアアップ助成金とは

非正規雇用労働者のキャリアアップを支援する制度で、生成AI研修と組み合わせることで相乗効果が期待できます。

10-2. 生成AI研修で活用できる3つのコース

①正社員化コース

制度概要: 有期雇用労働者を正社員に転換した場合に支給

助成額:

対象 中小企業 大企業
有期→正規(通常) 40万円 30万円
有期→正規(重点支援者*) 80万円 60万円
無期→正規(通常) 20万円 15万円

 

*重点支援者:母子家庭の母等、若者、高齢者等

生成AI研修との組み合わせ例:

  1. 契約社員に生成AI研修を実施(人材開発支援助成金)
  2. 研修修了後、スキルを評価して正社員に転換(キャリアアップ助成金)
    *研修を受給することで、重点支援者に該当できれば1名80万円の助成金が受給可能

②賃金規定等改定コース

制度概要: 有期雇用労働者等の基本給を3%以上増額改定

助成額(1人あたり):

賃金引上率 中小企業 大企業
3%以上5%未満 4〜5万円 2.6〜3.3万円
5%以上 6.5〜7万円 4.4〜4.6万円

活用戦略: 生成AI研修後、習得スキルに応じて賃金アップ

③賃金規定等共通化コース

制度概要: 正社員と同じ賃金規定を非正規労働者にも適用

助成額:

  • 中小企業:60万円
  • 大企業:45万円

このように、生成AI研修を「キャリアアップの起点」として位置付けることで、複数の助成金を戦略的に活用できます。

11. 地方自治体独自の助成金も要チェック

11-1. 東京都の事例:事業内スキルアップ助成金

対象企業:

業種 資本金・出資総額 常勤従業員数
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業・飲食業 5,000万円以下 50人以下
その他 3億円以下 300人以下

助成金額:

  • 研修1時間あたり760円 × 対象者数 × 実施時間
  • 年間上限:150万円(外部研修助成と合算)

対象となる研修:

  • ✅ 3時間以上10時間未満
  • ✅ 同時双方向型のオンライン研修または対面研修
  • ✅ 専門講師による指導
  • ✅ 業務時間内実施

実施期間: 2025年4月1日〜2026年3月31日の間に開始し、8月末までに終了

11-2. 他の自治体の動向

各自治体が独自の助成金制度を設けているケースが増えています:

主な自治体例:

  • 大阪府:中小企業人材育成支援事業
  • 神奈川県:産業人材育成支援事業
  • 愛知県:産業人材育成事業費補助金
  • 福岡県:中小企業人材確保支援事業

確認方法:

  1. 自治体の商工労働部門のWebサイト
  2. 地域の商工会議所・商工会
  3. 中小企業支援センター

⚠️重要ポイント: 国の助成金と地方自治体の助成金は併用できない場合が多いため、どちらが有利か比較検討が必要です。

12. 助成金申請を成功させるチェックリスト

【事前準備段階】

□ 雇用保険適用事業所であることの確認
□ 労働保険料の納付状況確認(滞納なし)
□ 過去の労働法令違反の有無確認
□ 就業規則の整備状況確認
□ 雇用契約書の整備
□ 研修対象者が雇用保険被保険者であることの確認

【計画策定段階】

□ 研修内容が助成金の対象要件を満たしているか
□ OFF-JT形式であることの確認
□ 研修時間が10時間以上であることの確認
□ 勤務時間内に実施できるスケジュールか
□ 経費の見積もり取得
□ 職業訓練実施計画書の作成

【申請段階】

□ 研修開始1ヶ月前までの提出
□ 必要書類の不備チェック
□ 管轄労働局の確認
□ 提出控えの保管

【研修実施段階】

□ 出席記録の正確な管理
□ 研修資料の保管
□ 実施状況の写真・動画記録
□ 賃金の通常支払い
□ 労働時間の適切な管理

【支給申請段階】

□ 研修終了後2ヶ月以内の申請
□ 経費の支払い完了
□ 領収書・請求書の整備
□ 賃金台帳・出勤簿の準備
□ 研修修了証明書の取得
(効果測定資料の作成)*コースや詳細によっては必要

13. よくある質問(FAQ)

Q1. 研修サービスの選定は自由ですか?

A. はい、基本的に自由です。ただし、以下の条件を満たす必要があります:

  • OFF-JT形式であること
  • 専門的な知識・技術の習得を目的としていること
  • 業務との関連性が明確であること
  • 研修事業者が提供する証明書類が整っていること

多くの研修事業者が助成金対応プログラムを提供していますので、事前に確認しましょう。

Q2. オンライン研修でも助成金は受給できますか?

A. はい、可能です。ただしコースによってその条件は異なります。本記事前半の内容をご確認ください。

Q3. オンライン学習(eラーニング)でも助成金は受給できますか?

A. はい、可能です。

  • 経費助成のみ(賃金助成は対象外)
  • 受講履歴の提出等必要(指定データは管轄労働局により異なる可能性あり)

Q4. 助成金の受給には企業規模の制限がありますか?

A. 人材開発支援助成金は大企業も対象です。ただし:

  • 中小企業の方が助成率が高い
  • 中小企業の定義は業種によって異なる

Q5. 研修後、従業員が退職した場合どうなりますか?

A. 研修実施時点で適切に実施されていれば、助成金の返還義務はありません。ただし:

  • 研修期間中の退職勧奨は禁止
  • 研修修了後の自己都合退職は問題なし
  • 不当な退職強要があった場合は返還請求の可能性

Q6. 自社で内製した研修プログラムでも申請できますか?

A. 原則として、外部の専門機関による研修が対象です。社内講師による研修は対象外となるケースが多いです。

Q7. グループに研修会社がいる場合、その会社への依頼でも助成金を申請できますか?

A. はい、本記事調査時点の労働局の回答によると申請可能です。しかし今後更新されることや、管轄によって異なる場合もありますので必ず管轄の労働局等へご確認ください。

Q8. 助成金申請を社労士に依頼することは可能ですか?

A. はい、可能です。むしろ推奨されます:

  • 申請書類の作成支援
  • 労働局との折衝
  • 要件充足の確認
  • 最適な助成金の選定アドバイス

社労士費用は助成金の対象外ですが、確実な受給のためには有効な投資と言えます。

14. 【B2B SaaS活用】助成金×オンライン学習プラットフォームの最適解

ここまで助成金の詳細を解説してきましたが、実際の研修実施にあたっては、適切な学習プラットフォームの選定が成功の鍵となります。

14-1. 助成金対応の研修プラットフォームに求められる要件

助成金を活用できる研修サービスは、以下の条件を満たす必要があります:

✅ OFF-JT形式への対応

  • 業務と明確に切り離された学習環境
  • 体系的なカリキュラム設計

✅ 出席管理機能

  • 受講履歴の自動記録
  • 学習時間の正確な計測
  • レポート出力機能

✅ 証明書類の発行

  • 修了証明書の自動発行
  • 学習記録の詳細レポート

✅ 専門的な学習コンテンツ

  • 生成AI・DXに特化した内容
  • 実務に直結するカリキュラム
  • 最新技術への対応

14-2. 法人向けSaaS型学習プラットフォームの優位性

従来の集合研修と比較して、SaaS型オンライン学習プラットフォームには以下のメリットがあります:

【コスト面】

  • 会場費・交通費が不要
  • 時間的コストの削減
  • スケール効果(受講者増でも追加コスト小)

【学習効果面】

  • 個人のペースで学習可能
  • 繰り返し学習が可能
  • 実践的なハンズオン形式

【管理面】

  • 受講状況のリアルタイム把握
  • 進捗管理の自動化
  • レポート作成の効率化

【助成金申請面】

  • 必要書類の自動生成
  • 学習履歴の正確な記録
  • 申請サポート機能

14-3. 理想的な法人向け生成AI学習SaaSの要件

理想的なB2B SaaSプラットフォームは以下の機能を備えている必要があります。:

【学習機能】

  • ✅ 生成AI基礎から応用までの体系的カリキュラム
  • ✅ 生成AIツールの実践学習
  • ✅ 業種別・職種別のユースケース学習
  • ✅ ハンズオン形式の実践課題

【管理機能】

  • ✅ 受講者管理ダッシュボード
  • ✅ 学習進捗の可視化
  • ✅ 部署別・個人別レポート
  • ✅ 修了証明書の自動発行

15. まとめ:助成金を活用して戦略的にAI人材を育成する

15-1. 助成金活用の5つのポイント

①100%以上助成を受けることも実現可能

  • 事業展開等リスキリング支援コース:経費75%+賃金助成
  • 複数助成金の戦略的併用でさらに削減

②事前申請は絶対条件

  • 研修開始1ヶ月前までの計画届提出
  • 準備期間は2〜3ヶ月が理想

③適切なコース選択が重要

  • 生成AI研修なら「事業展開等リスキリング支援コース」が最有力

④キャリアアップと連動させる

  • 研修後の正社員転換や賃金アップと組み合わせ
  • キャリアアップ助成金との併用で相乗効果

⑤継続的な活用で組織全体をレベルアップ

  • 事業展開等リスキリング支援コースの場合、年間1億円まで活用可能
  • 計画的な研修ロードマップの策定

15-2. 今すぐ始めるべき3つのアクション

【アクション1】自社の状況確認 □ 雇用保険適用事業所であることの確認 □ 労働保険料の納付状況確認 □ 生成AI研修のニーズ調査

【アクション2】情報収集と比較検討 □ 複数の研修サービスの資料請求 □ 助成金対応の確認 □ 社労士への相談

【アクション3】計画策定と申請準備 □ 受講対象者の選定 □ スケジュールの策定 □ 職業訓練実施計画書の作成

【最後に】助成金×生成AI研修で企業競争力を高める

生成AI技術は、今後ますます企業活動の中心となっていきます。しかし、「予算がない」という理由でAI人材育成を先送りにすることは、競合他社との差を広げることにつながります。

助成金制度は、まさにこの課題を解決するための国の支援策です。適切に活用すれば、最小限の負担で最大限の人材育成効果を得ることができます。

特に、オンライン学習プラットフォームとセットになった法人向け生成AI SaaSを活用することで、助成金申請から実際の学習、効果測定まで、一気通貫で効率的に実施できます。

今こそ、助成金を活用した戦略的なAI人材育成を始めるタイミングです。

【助成金の無料相談】

生成AI研修の助成金活用について、さらに詳しく知りたい方、自社での導入を検討されている方は、社会保険労務士法人sumacで無料相談が可能です。

✅ 助成金活用の無料相談
✅ 社労士監修による申請サポート

*社会保険労務士法人sumacについて*
社会保険労務士法人sumacは、助成金申請に強みを持つ労務の専門家集団です。毎月100社以上の助成金申請をサポートし、助成金申請社労士のトップランナーとして企業の成長と人事労務の最適化を実現します。豊富な実績と最新情報で、企業の制度活用を最大限に支援します。

お問い合わせはこちら
https://sumac.jp/sr/contact/

生成AI研修の無料相談】

生成AI研修のカリキュラム検討についてはWHITE株式会社にて無料相談が可能です。

✅ 生成AI研修のカリキュラム相談
✅ 自社に最適な研修プランのご提案
✅ 助成金対応のオンライン学習プラットフォームのご案内

*WHITE株式会社について*
デジタルトランスフォーメーションを支援する会社。生成AI内蔵のDX人材育成プラットフォーム MENTER を通じて組織が備えるべきデジタルスキルを可視化し、IT人材、AI人材の育成をサポートします。

お問い合わせはこちら(同社のサービス MENTERへリンク)
https://menter.jp/training/


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