1. はじめに:なぜ今、生成AI資格が注目されるのか

2022年のChatGPTの公開以降、生成AIは急速にビジネス現場へ浸透しています。総務省の2024年の「令和6年版情報通信白書」では、日本企業の約27%が生成AIを何らかの形で導入していると報告されており、さらに約46%が導入を検討中としています。

しかし、生成AIの普及とともに情報漏洩リスク著作権侵害といった課題も顕在化しています。企業が安全に生成AIを活用するためには、従業員が適切なAIリテラシーを持つことが不可欠です。

そこで注目されているのが生成AI関連の資格・検定です。これらの資格は以下の理由から急速に普及しています:

企業のリスク管理: 従業員のAIリテラシーを可視化し、安全な利用環境を構築
採用・評価基準: 客観的なスキル証明として人事評価や採用選考で活用
競争力強化: AI活用人材の育成により業務効率化とイノベーション創出を促進
個人のキャリア開発: 履歴書に記載できる資格として転職・昇進に有利

本記事では、2026年最新版として実務で役立つ生成AI資格/検定サービス10選を厳選し、それぞれの特徴や、活用シーンを詳しく解説します。

2. 生成AI資格を取得するメリット

✅ キャリアアップ・転職での差別化

生成AI資格は履歴書に記載でき、AI時代に対応できる人材であることを客観的に証明でき、採用面接でのアピール材料として高く評価されています。

✅ 体系的な知識の習得

独学では断片的になりがちなAI知識を、資格学習を通じて体系的に習得できます。
試験範囲には以下のような重要トピックが網羅されています。

・生成AIの仕組みと種類(LLM、画像生成、音声生成など)
・プロンプトエンジニアリングの基礎
・法律・倫理(著作権、個人情報保護、AI倫理)
・セキュリティリスクと対策

✅ 業務効率化スキルの獲得

生成AIを適切に活用することで、以下のような業務効率化が実現できます。

📝 文書作成やメール作成などの時間を大きく短縮
📊 データ分析・レポート作成の自動化
💡 アイデア発想・企画立案の高速化
🔍 情報収集・リサーチ時間の短縮

参照:パーソルグループの生成AI活用事例では、社員向けに生成AIパスポート試験を実施した結果、業務時間の削減や利用用途の拡大が実証されています。

✅ 従業員のAIリテラシー向上

企業全体のAIリテラシーを底上げすることで、生成AIの安全かつ効果的な活用が可能になります。

導入事例:三菱UFJ銀行
・OpenAIの「ChatGPT Enterprise」を全行員約35,000人に導入(2026年1月以降順次展開)
・社内文書作成、手続き照会、顧客対応、分析業務などに活用
・実証結果を踏まえ、本格運用で業務効率化と高度化を実現
参照:三菱UFJ銀行公式プレスリリース(2025年11月12日)

✅ 情報漏洩リスクの低減

適切な教育を受けた従業員は、機密情報を外部の生成AIサービスに入力するリスクを理解し、セキュアな利用方法を実践できます。

3. おすすめ生成AI資格/検定サービス10選

ここでは、2026年最新版として厳選した10の資格/検定サービスを詳しく解説します。

3.1 生成AIリテラシー検定

一般社団法人生成AIリテラシー認定機構が提供する、実務直結型の検定サービスです。「生成AIを安全で効果的に扱うことのできる運転免許」をコンセプトに、単なる知識だけでなく、実際のビジネスシーンでAIを使いこなすための「実技・操作スキル」の診断に特化しています。個人受験が無料であることから、スキルの腕試しとして認知を広げています。
参照:生成AIリテラシー検定 公式サイト

特徴

✅ 実務重視の出題: 知識に加え、プロンプト入力やツール活用など「使う力」を評価
✅ 個人受験は完全無料: 誰でもコストを気にせず、挑戦しスキル証明が可能
✅ ブロックチェーン証明書: 合格時には改ざん不可能なデジタル証明書を即時発行
✅ 企業向け機能も充実: 組織全体のAIリテラシー可視化・管理ツールを提供

試験詳細

項目 内容
受験料 無料(個人受験)
※企業・団体向けの管理プランは別途見積
試験時間 30分
問題数 30問(四肢択一式)
合格基準 正答率80%程度(約48問以上)
合格率 約80%
試験形式 オンライン(IBT方式)
年間開催回数 随時(24時間365日いつでも受験可能)

出題範囲
・生成AI基礎: 仕組み、得意・不得意、ハルシネーション等の理解
・リスク管理: 著作権、個人情報保護、情報漏洩対策
・プロンプトエンジニアリング: 意図通りの回答を得るための指示
・ツール活用: 文章作成、画像生成など実務での使い分け
・生成AIの実践的な活用方法: ビジネスシーンでの具体的な活用例

おすすめポイント
・圧倒的な手軽さ: 「無料」かつ「30分」で受験でき、その場で合否がわかる
・リスク管理の徹底: 企業が最も懸念するセキュリティやコンプライアンスを重点的にカバー
・実務直結のスキル: 「勉強した知識」ではなく「現場で使えるスキル」を証明したい人に最適

3.2 生成AIパスポート

一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が主催する、日本最大級の生成AI資格試験です。2025年10月時点で累計受験者数約4.4万名超、累計有資格者数約3.3万名を記録しており、生成AI資格の中で最も普及しています。
参照:生成AIパスポート公式サイト

特徴

日本最大級の受験者数: 大手企業や自治体の導入実績多数
実務直結の内容: AI基礎、活用方法、法律・倫理、リスク対策を網羅
オンライン受験: 自宅で受験可能(IBT方式)
充実のサポート: 公式テキスト、問題集、対策講座が豊富

試験詳細

項目 内容
受験料 一般:11,000円(税込)
学生:5,500円(税込)
試験時間 60分
問題数 60問(四肢択一式)
合格基準 正答率80%程度(約48問以上)
合格率 約75〜78%
試験形式 オンライン(IBT方式)
年間開催回数 年5回(2月・4月・6月・8月・10月)

出題範囲
・AI & 生成AIの基礎知識: 機械学習、ディープラーニング、LLMの仕組み
・現在の生成AIの動向: 最新モデルの特徴と業界トレンド
・生成AIを取り扱う際の注意点: 著作権、個人情報保護、AI倫理
・生成AIの実践的な活用方法: ビジネスシーンでの具体的な活用例

おすすめポイント
AI初心者に最適: 技術的な前提知識不要で学習開始できる
企業導入実績: 三菱UFJ銀行、パーソルグループなど大手企業が導入
副業・フリーランスにも有利: Lancersで認証バッジ表示可能

3.3 G検定(ジェネラリスト検定)【ビジネスパーソン向け】

一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する、AI・ディープラーニングの活用リテラシーを認定する検定試験です。2017年の開始以来、累計受験者数10万名超を記録し、AI資格の代名詞として広く認知されています。
参照:G検定公式サイト

特徴

業界標準の資格: 最も認知度が高く、企業の評価対象になりやすい
幅広い出題範囲: 技術・法律・倫理を包括的にカバー
継続学習コミュニティ: 合格者限定コミュニティ「CDLE」で情報交換可能
DX推進パスポート対象: デジタルリテラシー協議会の推奨資格

試験詳細

項目 内容
受験料 一般:13,200円(税込)
学生:5,500円(税込)
試験時間 120分(2025年から100分に変更)
問題数 160問程度(多肢選択式)
合格基準 非公開(概ね60〜70%と推定)
合格率 50〜70%
試験形式 オンライン試験(自宅受験)
年間開催回数 年6回(2026年から会場試験も実施予定)

出題範囲

【技術分野】
人工知能とは、人工知能をめぐる動向
・機械学習の概要、ディープラーニングの概要
・ディープラーニングの要素技術・応用例
・AIの社会実装に向けて

【法律・倫理分野】
・AIに関する法律と契約(個人情報保護法、著作権法、特許法など)
・AI倫理・AIガバナンス

おすすめポイント
ビジネス判断力を証明: AI活用の意思決定に必要な知識を網羅
企業の採用・評価基準として最も広く認知
キャリアアップに直結: 昇進・転職時の強力なアピール材料

3.4 E資格(エンジニア資格)

日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する、ディープラーニングの実装能力を認定するAI関連資格の最高峰です。G検定がビジネスパーソン向けであるのに対し、E資格はエンジニア向けで、数学やプログラミングの深い理解が求められます。
参照:E資格公式サイト

特徴

最高峰の技術資格: AI実装能力を証明する国内最難関資格
受験に前提条件あり: JDLA認定プログラムの修了が必須
実装スキル重視: Pythonコードを含む問題が出題
エンジニアとしての信頼性向上: 高度な技術力の証明

試験詳細

項目 内容
受験料 一般:33,000円(税込)
学生:22,000円(税込)
受験資格 JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了
試験時間 120分
問題数 100問程度(多肢選択式)
合格基準 非公開
合格率 約70%
試験形式 全国の指定試験会場(CBT)
年間開催回数 年2回(2月・8月)

出題範囲
・深層学習の基礎(順伝播型NN、最適化、正則化、CNN、RNN、Transformer)
・開発・運用環境(エッジコンピューティング、分散処理、アクセラレータ)
・深層学習の応用(画像認識、物体検出、自然言語処理、生成モデル、強化学習)

おすすめポイント
エンジニアの最高峰証明: AI技術者としての実力を客観的に証明
高年収が期待できる: E資格保有者は市場価値が高く評価される
実務直結の知識: PyTorchやTensorFlowを使った実装スキルを習得

3.5 Google Cloud Generative AI Leader

この資格は、Google Cloud(Google合同会社)によって提供されています。
認定する知識と技術は、生成AIの技術的な実装方法ではなく、「ビジネスリーダーや意思決定者が、生成AIを組織に導入し、戦略を策定・推進するために必要な知識」に特化しています。
参照:Google Cloud Generative AI Leader

特徴

ビジネス・戦略特化: 生成AIのビジネス価値、ユースケースの特定、導入計画の策定に焦点を当てています。
技術的前提知識が不要: エンジニア向けの技術試験ではなく、経営層やプロジェクトマネージャーなど非エンジニア層を対象としています。
国際的な認定: Google Cloudが公式に認定するグローバルな資格であり、世界的に通用します。

試験詳細

項目 内容
受験料 125ドル(約19,480円
試験時間 60分
問題数 25〜35問程度
合格基準 非公開
合格率 非公開
試験形式 多肢選択式(CBT形式)、オンラインまたはテストセンターで受験可能

出題範囲
・ビジネス上の価値と機能の特定
・ユースケースの特定と評価
・生成AIソリューションの価値提案の策定
・生成AIプロジェクト導入の計画と管理

おすすめポイント
経営視点・戦略的視点の獲得: 企業としてどう生成AIを活用し、競争優位性を築くかという視点で体系的に学べます。
・プロジェクト推進力UP: 生成AIプロジェクトを円滑に進めるための知識体系を効率よく習得できます。
・市場での差別化: 国内外のAI資格の中でも、ビジネスリーダーシップに特化した希少な資格として差別化を図れます。

3.6 AI実装検定(B級/A級/S級)

AI実装検定実行委員会(AIEO)が主催する、ディープラーニングの実装能力を3段階で認定する資格です。Pythonを使った実装力を重視し、初心者から上級者まで段階的にスキルアップできます。
参照:AI実装検定公式サイト

特徴

3段階のレベル設定: B級(入門)、A級(中級)、S級(上級)で段階的に学習
実装力重視: 数学、プログラミング、AIの3カテゴリを評価
ディープラーニング実装師の称号: 合格者に称号が付与

試験詳細

受験料(税込) 試験時間   問題数 合格基準 レベル
B級 一般:9,900円
学生:5,500円
40分 30問 70%以上 高校理系卒業・大学生程度
A級 一般:14,850円
学生:8,250円
60分 60問 70%以上 理系大学生・社会人程度
S級 33,000円 60分 50問 70%以上 最難関(現在のAI資格最高峰)

出題範囲
B級:
・AI・機械学習・ディープラーニングの基本的な概念
・学習モデルと推論モデル、データとタスク、パターン認識などの基本的な側面
・AIの種類、適用範囲、基本的な動作原理、学習方法、社会的影響や倫理的な問題など

A級:
・数学:集合と確率、数列と行列、関数と微分
・プログラミング:Numpy、Pandas、Matplotlib、Seabornライブラリ
・AI:ニューラルネットワークの基礎構造

S級:
・NLP(自然言語処理):seq2seq、Transformer、HRED、Word2Vec
・Model:VGG、GoogleNet、ResNet、MobileNet、EfficientNet、DenseNet

おすすめポイント
段階的な学習: 自分のレベルに合わせて無理なくステップアップ
実装力の証明: Pythonコードが書けることを客観的に証明
E資格への準備: A級合格でE資格認定プログラムの受講資格を獲得

3.7 DS検定(データサイエンティスト検定)【データ分析向け】

一般社団法人データサイエンティスト協会が主催する、データサイエンティストに必要な3つの力(データサイエンス力・データエンジニアリング力・ビジネス力)の見習いレベルを認定する資格です。
参照:DS検定公式サイト

特徴

データサイエンスの総合力: 3つの力をバランスよく評価
リテラシーレベル: 実務の入口となる基礎知識を証明
DX推進パスポート対象: デジタルリテラシー協議会の推奨資格
大学会員制度: 提携大学の学生は特別料金で受験可能

試験詳細

項目 内容
受験料 一般:11,000円(税込)
学生:5,500円(税込)
大学会員:4,400円(税込)
試験時間 約90~100分
問題数 約100問(選択式)
合格基準 正答率約80%
合格率 約50%
試験形式 全国の試験会場(CBT)
年間開催回数 年3〜4回(春・夏・秋)、全国テストセンターで実施

出題範囲
・データサイエンス力: 統計学、機械学習、データ分析手法
データエンジニアリング力: データベース、データ処理、プログラミング
ビジネス力: ビジネス課題の理解、データ活用戦略

おすすめポイント
データ分析の基礎: AIの土台となるデータサイエンススキルを証明
協会公認: データサイエンティスト協会が認める信頼性の高い資格
幅広い業界で評価: 金融、製造、小売など多様な業界で活用可能

3.8 PEP検定(Prompt Engineering Professional)

一般社団法人日本プロンプトエンジニアリング協会が主催する、生成AIのプロンプトエンジニアリングに関する専門的な知識と技術を認定する資格です。
参照:PEP検定公式サイト

特徴

プロンプトの専門資格: 高度なプロンプト設計手法を体系的に学習
業務効率化に特化: LLM活用による生産性向上を実現
産学連携: 産業界と学術界の最新知見を反映
企業DX推進に貢献: DXリーダー候補として活躍可能

試験詳細

項目 内容
受験料 11,000円(税込)
試験時間 60分
問題数 100問(選択式)
合格基準 70%以上
合格率 約55%前後(推定)
試験形式 全国の試験会場(CBT)

出題範囲
・生成AIの仕組みと特性
・プロンプトエンジニアリングの技術
・業務における生成AI活用方法
・生産性向上と業務効率化の実践

おすすめポイント
実務直結の専門知識: 複雑なタスクにも対応できるプロンプト設計力
差別化された専門性: プロンプトエンジニアリングの専門家として認定
履歴書に記載可能: 社内DX推進リーダーとしてアピール

3.9 AWS Certified AI Practitioner【国際資格】

Amazon Web Services(AWS)が提供する、AIや機械学習、生成AIの概念とAWSの関連サービスについての基礎知識を証明する国際資格です。
参照:AWS Certified AI Practitioner公式サイト

特徴

✅ 国際的に通用: グローバル企業での評価が高い
✅ クラウドAIサービス: AWS上でのAI活用スキルを証明
✅ 実務直結: AWS SageMaker、BedrockなどのAIサービスを学習
✅ 英語での受験も可能: 国際的なキャリアに有利

試験詳細

項目 内容
受験料 $100(約15,000円)
※為替レートにより変動
試験時間 90分
問題数 65問(多肢選択式)
合格基準 700点/1000点満点
合格率 60〜70%(推定)
試験形式 オンライン/試験会場

出題範囲
・AIと機械学習の基礎概念
・生成AIの原理と活用方法
・AWS AIサービス(SageMaker、Bedrock、Rekognition等)
・責任あるAIの原則

おすすめポイント
グローバル企業で評価: 国際的な転職に有利
クラウドAIの実践力: AWS環境でのAI構築スキルを証明
高年収が期待: AWSスキルは市場価値が高い

3.10 文章生成AI能力検定 / 画像生成AI能力検定

生成AIビジネス検定協会が主催する、文章生成AIと画像生成AIの活用スキルを個別に証明する実務向けの資格です。面接時のスキル証明を目的とした実践的な検定です。
参照:文章生成AI能力検定・画像生成AI能力検定公式サイト

特徴

実技を含む試験: 知識だけでなく実際の操作スキルを評価
文章・画像を個別認定: それぞれの専門性を証明可能
採用課題の解決: 企業の採用選考でのスキル可視化に貢献
履歴書に記載可能: 客観的なスキル証明として活用

試験詳細

項目 内容
受験料 各11,000円(税込)程度
試験内容 実技を含む問題
合格率 非公開
試験形式 オンライン試験

出題範囲
文章生成AI能力検定:
・ChatGPTなどの文章生成AIの操作
・ビジネス文書作成、メール作成、レポート作成
・プロンプト設計と最適化

※画像生成AI能力検定は2026年1月開催をもって初級が休止のため記載省略

おすすめポイント
・ クリエイティブ職に最適: デザイナー、マーケターに有利
・ 実践的スキルの証明: 実技試験で実力を客観的に証明
・ 採用面接でアピール: 面接時のスキル証明として高評価

4. まとめ:自社の課題に合わせた最適な資格の選び方

生成AI資格は、個人のキャリアアップと企業のリスク管理の両面で重要な役割を果たします。本記事で紹介した内容を参考に、自分のレベルや目的に合った資格を選びましょう。

生成AIの進化は日々加速しており、早期に資格を取得することで競合に対する優位性を確立できます。
多くの資格はオンラインで受験可能であり、自宅で気軽にチャレンジできます。まずは第一歩を踏み出してみましょう。


本記事は2026年1月時点の情報に基づいています。資格試験の内容や受験料は変更される場合がありますので、受験前に必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。
お問い合わせ:https://ai-literacy.jp/media/contact/